日本語の風味を豊かにするオノマトペ

 

オノマトペ(onomatopée)とは、フランス語で擬音語・擬態語のこと。

 

擬音語とは、『実際の音を模した』もの。擬態語とは、『実際には音はしていないが、事象や状態を音で表している』もの。

たとえるなら、ガラスが割れるときの「パリーン」とか「ガチャーン」とかいう表現は、擬音語。
(そう聞こえるかどうかには個人差があるが、たしかに『音』がしている)

星が「きらきら」光るとか、いつも「カリカリ」しているとかいうのは擬態語。
(実際に星から「きらきら」という音がしているわけではないし、人から「カリカリ」と音がしていたら怖い)

 

オノマトペは、日本語の風味を豊かにする

 

たとえば「 雨が降る」という文があるとする。主語は『雨』述語は『降る』だ。これだけで、『何がどうした』のかを表していて、しっかりと意味も通じる。
ここに「オノマトペ」を加えると……。
では、早速…。

 

まずは、音も無く雨が降っている様子…『しとしと
「雨がしとしと降る」
街が静かに雨に包まれるところが想像できますよね?

 

大きな雨粒が落ちてきたカンジ…『ぽたぽた
「雨がぽたぽた降る」
傘を持たずに歩いているときに曇天の空から大きな雨粒が落ちてきたカンジかな。

 

いきなり激しい雨が降り出した…『ざあざあ
「雨がざあざあ降る」
窓ガラスを伝う滝のような雨が浮かびます。

オノマトペを使うと途端に味わい深くなる。

 

オノマトペは幼稚なので多用すべきではないという方もいるが、とんでもない。まったく逆。情景をより鮮明に、換言するとより限定的にすることができるのがオノマトペ。

オノマトペなんて使わないという人がいるなら、『痛み』を思い出して欲しい。
例えば、頭が痛いとき、
「どんなふうに痛いの?」
尋ねられたら、何て答える?
『ズキズキ』?『ガンガン』?

そう、それこそがオノマトペ。

いかにオノマトペに頼っているかということがわかる。(「割れるように痛い」といえば、メタファーになる)

 

『痛い』という形容詞だけで意味を伝えることはできるけれども、「どんなふうに痛いのかを伝え 」たい。そういう思いが『ズキズキ 』とか『ビリビリ 』などの擬態語を選ばせる。オノマトペ(特に擬態語)というのは「もっと詳しく知ってほしい」という気持ちから使われる言葉だと言えます。

 

 

 

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